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  先週の中学校の講話

◆積小為大(小を積みて大と為す)◆


 新しい学年がスタートし、この節目に夢や目標をもった人も多いことでしょう。夢や目標をもつことは、とても素晴らしいことです。

 さて皆さんは、学校の校庭にある二宮金次郎の銅像をじっくり見たことがありますか。金次郎が手に持っているものは何か、そして、背中に背負っているものは何か、知っていますか。
 薪を背負い、手に持つ本を読む少年時代の金次郎の銅像です。(※銅像がない学校は省略)
 「積小為大(せきしょういだい)」とは、二宮金次郎がモットーとしていた言葉です。「小を積みて大と為す」の言葉には、「小さなものを積み重ねないと、大きなことを為すことはできない。毎日の積み重ねが大切」という意味が込められています。

 では、二宮金次郎はどんな生き方をしたのでしょうか?
 金次郎は江戸時代後期、裕福な農民の子どもとして生まれましたが、両親が早くに亡くなり、苦難の中で育ったのだそうです。その生活の中で卓越した才能を発揮し、実力が認められて武士となり、やがて幕臣(将軍直属の家臣)として働くことになったのです。金次郎は、身分制度が厳しい時代に、異例の大出世を遂げました。

 金次郎の少年時代は生計が苦しく、山で薪を集め、町へ行ってはその薪を売って生計を立てていました。その頃の金次郎は一風変わった行動をとり、なんと、薪を背負いながら読書をしているではありませんか。この姿を見て住人たちは思いました。
 「アホじゃないか。農民の子どもは農民にしかなれないのに、この子は一生懸命勉強をしている。何を考えているのやら」と。
 やがて、金次郎は親戚の家に預けられることになり、そこでも勉強をやめなかったそうです。親戚は金次郎にこう言いました。
 「灯りに使う油がもったいないから勉強をするな」と。
 そこで、金次郎は友だちからアブラナの種を借り、それを植え、育ったアブラナは油と交換してもらい、その油を使って勉強をしていたそうです。また、田植えの際に捨てられた苗を見つけてはそれを拾い、みんなが使っていない田んぼに植え続けたそうです。この作業を繰り返していくうちに、一俵のお米を収穫することができたそうです。

 金次郎の生き方は、「コツコツやり続けることが、やがて大きなものとなり、成果を生む」というものでした。一日で成し遂げられることは本当に小さなことです。しかし、毎日毎日の小さな積み重ねが、1週間、1ヵ月、1年と積みあげられていくなかで、始めたときには想像もできなかったほど大きなことが成し遂げられるものです。
 夢や目標を語るだけではなく、「ああなりたい、こうなりたい」と思うだけではなく、夢や希望をもったその時から、小さなことでも自分にできることから始めることが大切です。
 さあ、皆さんも始めてみましょう。

(山田達夫)


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